山の住民の道案内

2020/07/04(土)
雨が降ったりやんだりの磐梯山です。

一昨日(7月2日)のことです。
小屋の常連のK藤さんが翁島登山口から登山を開始し、山頂を経て弘法清水小屋を訪れました。
ちょうど1回目の建築資材の荷揚げを終えたところでしたので、私は、K藤さんを誘って2回目の荷揚げに赤埴(あかはに)林道終点に向かいました。
沼の平の道標を過ぎたあたりで登山道の5メートルほど先に「ヤマドリさん」のメスが私たちを先導するようにヨチヨチと歩いています。私たちはヤマドリさんと一定の距離を保ちながら後を追います。
ゆっくりとした歩みです。なかなか除けてくれません。お尻を振り振り登山道を忠実に進みます。
K藤さんと二人で、「道案内をしてくれているのかなぁ」と話しながらゆっくりと後に続きます。
50m程おしりを堪能しましたが、ヤマドリさんは突然に東側の藪の中に姿をくらましました。
思わず「ありがとう」と藪の中に声をかけてしまいました。

さて、今朝のことです。
赤埴林道から登り始め、猪苗代登山口の分岐点を過ぎて鏡沼の北側の尾根道につくかと思ったときに先行者に気づきました。
黒に近い灰色の毛皮(登山服)を着た「ニホンカモシカ」さんです。
彼女は、10m程度進むと振り返って私のことを待っていてくれます。
私はその都度「おはようございます」とか「こんにちは」と彼女に届くであろう最小限の音量を意識して話しかけます。
でも、私は、先行している現場監督さんと職人さんを追いかけている身ですので、そこそこ休んでお話をしているわけにはいかないのです。
三度目の一方通行であろうご挨拶の後に、歩を速めた途端、彼女は一昨日ヤマドリさんが入っていった藪の中に隠れてしまいました。
30m程度の道案内をしていただきました。
会話が成立したのかどうかについては、今夜の夢の中でわかることを期待しています。

悪天候の中でも改修工事は着々と進みます。
写真は、携帯トイレブースを解体した今日の弘法清水小屋です。
三合目付近の藪の中に咲いたニッコウキスゲに従兄妹が加わりました。
雨の重さに負けて下を向いています。
霧のためだと思いますが、ピントが合いません。ごめんなさい。
× 閉じる
- Powered by PHP工房 -