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一夏の思い出

2018/05/02(水)
今日は、天気予報に反して、昨日よりも空気が澄んでいて、お昼ころまで風も穏やかでした。
登山者が昨日ほど多くないので、妻と相談し、私は10時頃に火口壁の「古木」に会おうと「3合目天狗岩」まで下りて行きました。

昨年の山開きが終わって猪苗代側の赤埴林道から小屋に通い始めてすぐに、妻が「3合目天狗岩」の西側の火口壁に(縁から20mほど下です)直径40㎝・長さ3mほどの枝の伸びた丸太が土石の中から姿を現したのを見つけました。私たちは、今までに火口壁のこの場所に丸太などなかったことをお互いの記憶をもとに確認しました。そして、私たちが磐梯山を登り初めた昭和40年代よりこれまでの間、直径が40㎝もある樹木を沼の平を含めてそれより上に見たこともないし、あるという話を聞いたことがないことを確認しあい、発見した丸太は1888年(明治21年)の噴火の際に、この付近にあった丸太が噴火か山体崩壊によって埋もれてしまったのが、129年間の降雨や毎年の融雪によりたまたまこの春にその姿を現し日光と大気に触れたのだと結論するに至りました。129年ぶりに蘇ったのです。
直ちに写真を撮り、関係官庁と関係団体に提出し、口頭で私たちの結論を伝えました。そして、私たち小屋番は小屋までの往復時に古木の存在とその状態に変化がないことを確認して、ほっとしていたのです。
小屋番は、折に触れて関心をもって話し合っていたのですが、今日まで関係官庁等から何らかの返答をいただけませんでした。

一昨日、噴火口で大音響を発する白煙を上げた土砂崩れが発生しました。
私は、古木が無事でいることを願い、古木と半年ぶりに会えることを楽しみに、小屋から3合目までの道を急ぎました。
果たして、古木の姿は西側からも東側からも確認できませんでした。写真を撮影し、ゆっくりと小屋に戻り妻にデジカメの画像を見せました。
小屋番とって、3合目の火口壁の古木との出会いは一夏の思い出となってしまいました。今日がお別れの日です。ありがとう、そしてさようなら。

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